250722-SIA一口評論「参議院選挙の勝者と敗者:日米トランプ関税交渉の行方」宇田司郎
250722-SIA一口評論「参議院選挙の勝者と敗者:日米トランプ関税交渉の行方」宇田司郎
配信時間2025年7月22日17時34分
今回の参議院選挙結果は以下の通り末尾にウイキペディア上にある表を引用掲載するので参考に願いたい。
今回の選挙結果について新聞テレビのマスメディアでは各種分析や評価がなされているが、官僚が作成した国会答弁書をそのまま読む大臣の如く、実に味気ないだけでなく時代の変化を理解していないと思われる。
今回の投票率が前回比6.46%増回し58.51%となった事についても、マスコミでは自分の思考力を基準にした我田引水、あるいは予想が外れた負け惜しみの様な意見を述べる論者、評論家もあり注意願いたい。
本日は簡単に「勝者と敗者」に触れ、併せて8月1日に迫った「日米トランプ関税交渉の行方」について以下時間の制約もあり簡潔に述べる。
「2025年7月20日投票第27回参議院通常選挙の勝者と敗者」
今回の選挙の勝者は、俗に言う1955年体制を機銃に述べれば保守の大勝。それに遡ること10年、敗戦・占領開始年1945年より続いた戦後80年目の大転換を示す選挙結果である。
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1955年体制の紹介と説明(55年体制 - Wikipediaより抜粋引用)
右派社会党・左派社会党に分裂していたが、保守政権による「逆コース」や改憲に対抗するために、「護憲と反安保」を掲げて1955年(昭和30年)に社会党再統一が行われた。この日本社会党の統一に危機感を覚えた財界からの要請で、それまで存在した日本民主党と自由党が保守合同して自由民主党が誕生。
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自民党はこの1955年体制に胡坐をかき、真の保守主義を目指すよりも自らの利権・業界団体の利権擁護に没頭し戦後80年を経た今尚、党是とする占領軍憲法の改正も放置し続けている。彼等のこの70年、遡れば80年に及ぶ政権闘争では自らの権力維持・利権擁護の旗印として「日本の伝統、天皇制、靖国問題、安全保障問題」が叫ばれてきたに過ぎず、外交は独自性の無い米国追随の事なかれ主義に堕し、本当に日本の国益を追求して来たか疑わしいとの批判がある。
では敗者は誰か? 既にお気づきの通り、共産党や旧社会党の流れ継承する使い古された言葉を使えば革新勢力。この旧革新勢力の停滞を具体的に示すと共産党は今回4議席失い3名当選、旧社会党の流れをくむ社民党は芸能人の知名度を借りやっと現状維持の1議席、自民党同様に党内の意見の幅が大きく護憲派の旧社会党から旧自民党出身者迄いるが選挙前大変有利と言われた立憲民主党は一部野党と選挙協力を行ったにも関わらず22議席と現状維持。唯一議席を一議席増やしれいわ新選組
これに対して伸びた政党は4議席から17議席へと13議席増やした国民民主党、1議席から13議席伸ばした参政党、更に選挙前苦戦が伝えられながらも1議席増やし7議席とした日本維新の会。
以上でお解りの通り、右派保守派の大勝、左派護憲派革新勢力の大敗である。
「日米トランプ関税交渉の行方」
さて、8月1日に迫った「日米トランプ関税交渉の行方」である。
トランプ氏はディール(Deal)と常々表現しているが、その基本的考えは経済学用語でいえばゲーム理論に基づく交渉戦力である。お互いに協定を結ぶ事により両者の利益は増える状態にある時、その増加利益をどう配分するかの問題である。
絶えず、交渉打ち切りを示唆しながら相手の妥協を促す高圧的考証を得意とするが、日本政府は今回の参議院選挙大敗により「日本の国内政治状況から妥協の余地は限られる」事は米国のメディアも既に報じており、政府関係識者も十分に理解している可能性がある。
これは千載一遇の好機である。人生同様に、交渉等は置かれている状況を最善に利用し道を切り開く事である。
本評論ではここ迄、客観資料と歴史的事実に語らせ、私宇田司郎の私的見解は出来るだけ控えて来たが、以下私見を述べる。
石破氏の今回の参議院選挙敗北の要因は二つ。
第一の失敗は、選挙目当てのバラマキ政策「二万円の給付金」。第二の失敗は選挙戦終盤の「野党が政権を取れば、バラマキ政策により金利が上昇する」との発言。
この両発言、前者については党内事情から石破氏が意思を貫く事が出来なかった可能性があるが、後者についてはSIA評論では多くの論者が物価高対策には金利引上げに因る円高政策の推進が最善と見ているので腑に落ちない発言と見ている。 以上本日の一口評論「参議院選挙の勝者と敗者:日米トランプ関税交渉の行方」です。宇田司郎
第27回参議院議員通常選挙 - Wikipedia 2025年7月22日15時40分頃検索情報
第27回参議院議員通常選挙 - Wikipedia 7月22日15時40分頃検索情報