2014.05.16

2014年4月27日号SIA評論を第881回SIA国際フォーラムで小保方論文問題が5月17日議論されますのでブログに公開掲示します。SIA評論は1990年代末よりSIAが電子メール配信する評論(年間購読料6,000円+消費税)です。講読ご希望の方はsiabest@sun-inet.or.jp迄連絡下さい。

140427-SIA評論:Nature小保方論文の行方 第四回4月9日記者会見分析余談 2014年4月27日発行

小保方論文問題に関して少し騒ぎが静まった。少なくともマスコミの空騒ぎと饒舌な話は減少した。しかし、何か具体的に解決が進んでいるかとなると不明である。(実は24日に7段落までこの文を書き上げていた。)


先ずこれまで三回に渡り指摘した問題について簡潔に再整理し、問題点を探る。スタップ細胞は在るか否か? 科学的問題であるので科学的対応でしか解決できない。今後実験を行い証明するしか無い。その時の問題点が、特許を初めとする利権問題である。個人的名誉と、歴史に名を刻む点についてはノーベル賞受賞は、現代社会において個人に置いても組織や国家においても最大の栄誉、勲章である。しかし、そのノーベル賞を創設したノーベル自身は科学的発明により莫大な富を得、彼の発明が結果として多くの人命を奪った事への反省も込めてノーベル賞を創設している。ノーベル賞がその資金のゆえに自然科学、社会科学、人文科学分野も含めた最大の勲章となっている現実を先ず認める必要がある。

ノーベルは彼自身人並みはずれた事業家で在っただけでなく、彼の兄弟もそういった才能にも恵まれていた様である。1878年兄リュドビック、及びロベルトと共にバクーでノーベル兄弟石油会社を設立し石油業界でも大きな足跡を残している。この辺の状況は原油業界の分析では第一人者として知られるダニエルヤーギン氏のピュアリッアー賞受賞の名著The Prize The Epic Quest fro Oil, Money and Powerに著しい。

少し余談かつ私的な話であるが、ノーベルについてはその伝記を小学生時代に読んでいたが、ヤーギン氏の上記著書を読む中で遭遇した「Baku」、「Nobel Brothers Petroleum Producing Company」、「ソビエト革命によるその接収、国有化」の事実に直面した時、歴史のダイナミズムに驚き、同時に無知とは実に怖い物であると反省させられたものである。ダイナマイトを発明し、民間利用はもとより、クリミア戦争、その他の各戦争でも莫大な富を築いたノーベル、及びノーベル一族の歴史がノーベル賞の背景にあるのである。

ある意味で19,20世紀のエネルギー、原油を巡る世界の攻防、興亡が教える事は、その時々の科学的理解が如何に事実(新たな原油資源地の発見、採掘成功)によって覆されて来たかの歴史でもある。時間的制約もあり、少し結論を急ぐと、時々の科学的方法論によりもっとも埋蔵の可能性の高い地域を絞り込み、限定して莫大な資金を注ぎ込み探査、採掘するよりも、数多くの採掘活動を行なった組織が原油採掘活動において優位を占め、流通とマーケット、資源を握る企業が繁栄を極めた歴史である。市場経済を通じた価格競争力、すなわち原油輸送コスト、流通コストの重要性である。
ビジネスでも科学でも理論も重要であるが、事実、発見が先行する事が多い。その先行する事実、あるいは事実の発見が、先行した理論、科学、思想家を再発掘する事例が歴史には溢れている。

ここで、小学生時代の刑事ドラマをふと思い出したので紹介し、時間的制約から筆を置く。私が11歳頃昼間再放送で見たドラマである。暗闇でも指で物を見る事が出来る少女に目撃された犯罪者のドラマであったと記憶する。この情報を警察関係者が入手した時、捜査関係者や学者は悪戯にその可能性についての議論に時間を費やし、その間犯罪者集団はその少女を密かに誘拐し、目隠しをした上で、その指で文字を読ませるといった話であった。犯罪者の方が遥かに優秀で、実用的な接近方を試みたのである。その結末は記憶していないが、子供心に大変興味を引かれた話である。

なぜか、今回の一連の騒ぎを見て思い出した話である。さてこの間、「140412-SIA評論:Nature小保方論文の行方 第三回 4月9日記者会見分析」の報告をしてからの2週間の間にも小保方氏の論文問題について若干の動きがあった。理化学研究所小保方氏論文調査委員会の石井委員長の辞任劇、そのこと事態は驚くに価しないと私は思う。驚くべき事は、石井氏の論文疑惑がインターネット上で指摘された事実である。当然、今後予測できる事は、調査委員長就任を受諾する研究者が内外を問わず激減する事である。石井氏辞任後の新委員長には渡辺弁護士就任したのはその象徴である。(140424、27−SIA評論:佐々木賢治筆)


********************
国際ビジネス、語学のプロフェッショナルハウス
佐々木インターナショナルアカデミー
〒450-0002
名古屋市中村区名駅3丁目23-6
第二千福ビル2階
052-566-5526, Tel & Fax 052-566-5528
siabest@sun-inet.or.jp ブログ http://sia-nagoya.com/
http://www.sasaki-international-academy.com/
★ 語学教育、翻訳・通訳、国際ビジネスはSIA
********************



PHOTO

RSS2.0

login

a-blog cms