2014.05.19

5月11日朝日新聞日曜版半5段広告の一部

5月11日朝日新聞日曜版半5段広告の一部

140518-SIA評論公開版:Nature小保方論文の行方 第五回
理研調査報告書とその後の動き
2014年5月18日要約17日講演要旨


昨日5月17日、第881回SIA国際フォーラムで「小保方論文の内容と今後」と題して講演を行った。5月11日付朝日新聞日曜版に掲載した半五段のカラー広告にもこの催しを告知して置いたが、既に世間の関心が離れているのか、かつてある国立大学の物理生物学分野で教鞭をとられていた知人の方を除いて、残念ながら新規の参加者は無かった。英語講演が鉄則であるが、多数の原資料が日本語であるため日本語講演とした。


5月11日朝日新聞日曜版半5段広告の一部

5月11日朝日新聞日曜版半5段広告の一部

人の噂も75日と昔から言われているが、この問題自体既に過去の決着の付いた問題と一般には考えられているのかと残念に思った。マスコミ報道を見る限り5月7日付理研小保方論文調査報告書の発表を受け、世間一般にはこの案件は決着済みとの印象が事実広がっている。その方も既に小保方氏のNatureの論文は一読されていたので講演では若干の背景情報と末尾に述べる部分を中心に雑談的に話したので参考に供したい。

その参加者は小保方氏の論文問題、実験記録の保存方法等の問題に関し、かつての研究者の立場から批判的であった。その方が持参戴いた新潮4月号、5月号のコピーを講演後早速簡単に一部目を通したので、既に一読された方もあるかと思い、先ずはその感想。

「STAP細胞に群がる悪いやつら:小保方晴子と理研、捏造の構図」と題される。筆者はノンフィクション作家の小畑峰太郎氏+新潮45取材班である。小保方氏を「茶化した書き方」(ここはリケジョっぽく、彼女に成り代わった口調で解説してみよう。April 2014 120頁中段-122頁中段)、笹井芳樹氏を「出世街道を歩み、何れは京都大学学長と目された逸材だった」(April 2014 122頁中段-122頁下段)と記載する乱暴な筆法には、それだけでその知性や品性に疑問を感じてしまい、この様な論法、根拠ではその筆者自身が数々の筆禍事件を起こしているのではと思わず、他人事ながら心配となった。ある大学でジャーナリズムを教える立場で言えば、「勝ち馬に乗った乱暴な議論、書かれる側の人権無視、それ自体が捏造とも言える根拠薄弱な飛躍した議論」は法的なマスメディアの賠償責任問題の対象としても研究したい様な内容でもある。

さて本題に戻る。講演の要旨は「第三者による再現実験成功の報告が無い現状においては、論文問題について小保方氏が名誉回復するには以下の2点、実質的には第二点に対する明確な情報が必要」となる。


SIA三猿の教え 縦列

SIA三猿の教え 縦列

************************
第一点(第三回で提起済み) 作成方法が明かされず、第三者の再現実験が出来ないのか? その理由、可能性について段階的に以下列記、検証して見るが、この段階のどれにあたるのか?
1. 実在しない
2. 実在するが、方法論が確定されていない
3. 実在し、方法論も確定されているが、一般化されていない
4. 実在し、方法論も確立し、一般化されているが、公表しない場合

1は「取り下げ」ざるを得ない。彼女の研究者の道は閉ざされる。
2は「何度かやると、たまたま作成できる事がある。」という事で、今回の論文も「論文提出には早過ぎる」と断じられるであろう。
3は「小保方さんには作る事ができるが、第三者には作成が難しい場合」である。この場合は「彼女の手法が、未だ一般化されず、他の人には作成できない何かが小保方さんの手法に含まれている」事になる。
4は実際に有り得る話である。論文として発表すると人類の公共公有財産として特許権の取得は不可能となり権益が失われる。

第二点(第二、三回で提起済み) 「二百回作成成功」となると、膨大な実験を行なって来たはずである。

「最初にスタップ細胞に気付き、二回目の成功したのが何時か?」、「その後各種条件を変え試行錯誤したと思うが、いつ頃から安定的にスタップ細胞を作れるようになったか?」、「直近の成功率はどうか?」
****************************

第三者による再現実験成功の報告が無い現状では、せめて上記二点、特に第二点に対する合理的な説明が無い限り、小保方さんへの評価を回復するのは極めて難しいとの現時点での印象である。以上。佐々木賢治
**********
SIA評論年会費6,000円+消費税で発行しています。講読ご希望の方は連絡下さい。


名古屋商工会議所 那古野2011年4月号

名古屋商工会議所 那古野2011年4月号

********************
国際ビジネス、語学のプロフェッショナルハウス
佐々木インターナショナルアカデミー
〒450-0002
名古屋市中村区名駅3丁目23-6
第二千福ビル2階
052-566-5526, Tel & Fax 052-566-5528
siabest@sun-inet.or.jp ブログ http://sia-nagoya.com/
http://www.sasaki-international-academy.com/
★ 語学教育、翻訳・通訳、国際ビジネスはSIA
********************



PHOTO

RSS2.0

login

a-blog cms