2012.03.12

21世紀問題研究会

第114回21世紀問題研究会を3月10日午後6時から「東京電力株主総会に見る東京電力の経営責任と株主責任:2011年6月28日開催第87回東京電力定時株主総会の状況」と題して87回東京電力定時株主総会入場票3272番氏に講演戴きました。

昨年4月より8回に渡り放射線、核物理、医学的観点から各分野の専門家の協力を得て福島原発問題を取り上げて来ましたが、今回の講演会では経営、危機管理、社会政治的側面から福島原発、東京電力問題を取り上げました。

今回の講演者、株主総会入場票番号3272番氏は株主総会で経営陣に対して実質倒産状態にあることを指摘し50%の人経費削減の必要性、人類の歴史、核開発の歴史的観点から原子力発電の必要性、風評被害に苦しむ福島産食品の東電社員食堂での使用等を提言。このため6月28日株主総会終了後、一部マスメディアより(例:フジテレビの山下を名乗る記者等、ただし特定できず本人は対応しなかったとの報告)問合せがあっとの話や、株主総会では時間的制約から発言できなかった東京電力経営改善策等、更には他の同日の東京電力株主総会出席者からの発言もあり、生々しくかつ具体的講演となりました。21世紀問題研究会 事務局 講演記録より。


**********
講演内容(要旨)

入場票番号3272番氏の2011年6月28日東京電力株主総会出席のため事前に準備していた主な質問は4点。
1. 実質的な債務超過問題
2. 経費削減問題:人件費の半減、各種経費削減策
3. 原子力発電の安全対策:自衛消防隊
4. 役員、その他社員の情報管理問題:政治的意図に基づく意図的な情報漏洩、隠蔽、証券取引法に抵触する情報漏洩と株の不正売買の可能性

3,4はカットし発言せず。
(省力)

俗に言う一株株主、反原発関係者の発言、傍若無人な振る舞いは目に余るものがある。その振る舞い発言を見ていると、3月11日以降、特に3月12日以降の福島原発問題で一番喜んでいるのは、こういった人々ではないかと思わせる行為であり、発言であった。

又、議事進行、議長役を務めた取締役会長, 勝俣 恒久氏はひたすらこういった反原発一株株主に発言の機会を与えるばかりで、同じ人物に二度三度と発言せせる事も頻発。前列に席を取り目立つ位置に着席し、開始時点より挙手発言を求めている3272番に何時までたっても発言の機会が与えられない。考え様によっては、反原発一株株主は経営に対する関心が薄く実質無いに等しい人々であるので、彼らに発言を許している限りは経営責任を追及されることは無い。又、当然の事であるが大多数の株主は東京電力が企業として社会貢献を行い、その見返りとして収益を上げ配当金を受け取る事を期待しているので、こういった一株株主に同調する事もない。それを見越して例年の総会で顔見知りの一株株主ばかりに発言させる議事進行をしているのではと思わざるを得ない様な状況が進行。

(省略)

この結果、建設的議論、質問をする株主発言がほとんど無く、又建設的発言に対しても真摯な回答は一切無かった。

(省力)

問題提起部分要約
東京電力のマネジメントミスを示唆する様々な不思議
1. 福島第一原子力発電所自衛消防隊は何処に
2. 3月11日最終決定権を持った会長、社長の不在。その際の決定権は誰に委ねられていたか?
3. 冷却水、海水注入の決断の遅れ。菅首相の発言により一時注入を中断したとの情報が長期に渡り流れ、菅降ろし、批判に利用された。しかし、海水注水は継続されており、その事実を明らかにしたのはIAEA査察チーム査察開始の1日前であった。恣意的な政治的策謀が背後にあったと見られても仕方の無い事態。IAEAが調査を開始すれば自ずと明らかになるので前日に公表したのでは。その際、辻褄を合わせるため吉田所長の独断で継続され、本社へ報告が無かったと説明されたのではないか? 又、原子力関係者、放射線の専門家も彼らがモニターしている放射線量を分析すれば、海水注入が継続されていた事は自明であったと思われるが、一般国人には伝わらなかった。日本のマスコミの能力の無さに由来するのか、あるいは各関係者が意図的に報告しなかったのか、混乱を極めていたためこういったことすら気づかなかったのか?
4. 2011年6月28日の株主総会時点で、このまま行けば実質倒産状態にあることは基より自明。思い切ったコスト削減、すなわち人件費削減、その他各種費用の見直し、発注方法の再考が必要であったが、入場票3272番氏を除いては誰も質問もしないし、経営陣はほとんど具体的な回答はしなかった。経営者としての当事者意識の欠如である。
5. 役員の経営責任問題を含め、役員、労働組合、社員、OBを含めた内部利害関係者の利益を優先しすぎる結果、身を切った具体的対応策、荒療治に踏み込めなかった。この同じ体質が、地震発生、福島第一原子力発電所津波襲来、電源喪失後の対応において対策に遅れを取った重要な一因である。電力、通信手段喪失はそれ自体発生後においては既知の現実である。それに対する対処においては各関係者は事前準備が無いだけでなく、意識喪失の状況に陥り保身のため周囲の顔色を見るばかりの状況を呈していたのではないか? 混乱を極めた一番の要因はここにあり、電力、通信手段喪失後の対応において、保身と内部利害関係者利益優先の体質に原因があったのではないか?この傾向はトップ経営陣のみならず、前線の自衛消防隊についても言える。自衛隊、東京消防庁の注水活動、その事前準備段取りにおいても、福島第一原子力発電所敷地内の状況について一番詳しいはずの自衛消防隊の姿は何処にも見えなかった。
6. 果たして東京電力経営陣、社員、OB、取引先が自己責任を全うする意味で国営化に反対しているかは甚だ疑問がある。経営救済策としての実質的国有化を内心望みつつ、保身のための国有化反対ではないかと思われても止むを得ない様々な動き、対応が見られている。
7. 想定外という言葉は、経営責任を免れるためにも固執しなければならない保身のための「最善の責任免責を求める政治的発言」と考えることも可能である。
************

以上、名古経営(MBA)フォーラム、21世紀問題研究会関係者が合同で纏めた講演要旨です。


名古屋商工会議所 那古野2011年4月号 国際ビジネスのコンビニ、翻訳、通訳、語学教育のご相談は国際ビジネスのプロフェッショナルハウスSIA

名古屋商工会議所 那古野2011年4月号 国際ビジネスのコンビニ、翻訳、通訳、語学教育のご相談は国際ビジネスのプロフェッショナルハウスSIA

お問い合わせはSIAで受け付けますが個々の質問に対する回答は当日の出席者、及びSIA評論購読者を除いては出来かねますので了解下さい。

SIA:佐々木インターナショナルアカデミー

国際業務困った時の翻訳、通訳、相談、語学教育は
国際ビジネスコンビニ、プロフェッショナルハウスSIA!
佐々木インターナショナルアカデミーへ!

********************
国際ビジネス、語学のプロフェッショナルハウス
(株)SIA:佐々木インターナショナルアカデミー
代表 佐々木 賢治 090-6464-5526(Softbank)
〒450-0002 名古屋市中村区名駅3丁目23-6
第二千福ビル2階
052-566-5526, Fax 052-566-5528
siabest@sun-inet.or.jp
http://www.sasaki-international-academy.com/
★ 語学教育、翻訳・通訳、国際ビジネスはSIA
********************



PHOTO

RSS2.0

login

a-blog cms